夏の野菜トマト!
子どもころ、嫌いだったトマトを好きになったきっかけは田舎のおばあちゃんの畑のトマトでした。
自分で採ったズッシリと赤い身。かぶりついた時の香りと甘さには感動しました。
最近は農家さんの多いこの地域。地元野菜として売っているのが朝採りトマト。
完全に熟した新鮮なトマトがすぐに食べられるようになって嬉しく日々堪能しています。
暑くて少し食欲が落ちた時でも、香りのよい瑞々しい果肉にかぶりつけば美味しくって栄養も満点!
そんなトマトについて、ラジオ東京FMの番組『ピートのふしぎなガレージ』(2019年8月放送)で興味深い特集をしていたのでまとめました!
トマトの出身地知ってましたか?

トマトと言えばイタリア!という勝手なイメージがありましたがトマトの生まれ故郷は南米アンデス山脈の高原地帯です。
野生種のトマトは小さくて鈴なりに自生。今のミニトマトやチェリートマトのように小さな実がたくさんなるタイプでした。大きくても直径2センチくらいです。
8世紀ごろメキシコにそれらがメキシコに伝えられて食用として栽培され、品種改良を繰り返し今のような大玉のトマトが作られるようになりました。
アンデス生まれのメキシコ育ちと言われています。
イタリアでは悪魔の実
16世紀メキシコのトマトをヨーロッパに持ち帰ったのはスペイン艦隊を率いてアステカ王国を征服したエルナン・コルテスでした。しかし真っ赤なトマトが【悪魔の実】と恐れられ誰も口にしようとしなかったのです。
17世紀 大飢饉に見舞われていたイタリア。ここでもトマトは鮮やかな赤い色と、猛毒ベラドンナに似ていることから猛毒だと信じられていました。
しかし、事情が事情だけに飢えに耐えかねて口にしたのが食べ始めるきっかけとなりました。
空腹だったのでよっぽどよっぽど美味しかったんでしょうね~
悪魔の実と呼んでいたものがポモロード=黄金のリンゴなんて呼び方が変わるなんて!さすがに極端すぎますよね。
以降、18世紀ごろからイタリア料理で盛んに使われるようになりました。
アメリカでも不人気
アメリカでも当初は毒があると思われていて不人気でした。
1830年ヨーロッパからトマトを持ち帰りニュージャージーで自分の農場で育てた人が、身をもって行ったパフォーマンスでトマトの安全性を証明。19世紀以降徐々に食用として認知されるようになりました。
ハンバーガーにトマトケチャップ!今ではアメリカの食文化を語る上では欠かせないですね。
日本では鑑賞用
日本ではどうだったのでしょうか?
入って来たのは17世紀の江戸時代。「唐柿」「唐なすび」などと呼ばれて、長らく食用ではなく、あくまで観賞用でした。
青臭い味や酸味が日本人の口には合わなかったようです。
日本でトマトを食べるようになったのは明治時代、トマトソースを使う洋食文化の広まりがきっかけでした。
種類とおすすめの食べ方
自由が丘『バッボ アンジェロ』シェフ アンジェロ・コッツォリーノさんのお話です。
イタリアではトマトはキロ単位で買う!
やはりイタリアンと言えばトマトのイメージが大きいですね。
イタリアのスーパーでは生食用のものが8~10種類ほど山のように並んでいるそうです。
買う時にはみんな個数じゃなくて、kg単位、せめて1kgから購入(笑)1kgで100円しないというのだからそれも納得ですね。
【牛の心臓】という品種のトマト
変わった品種では牛の心臓と呼ばれるものが。なんでも大きさは人の顔くらいあるそうで!?
指で開くと中身はキラキラ!ゴールド!?宝石みたいだそうです。色はピンクっぽい。
味は酸味も甘みも少なくて、トマトの味が強い!
濃厚なモッツァレラと一緒に食べると、それはそれは美味しいとか。
缶詰のトマトホール、品種サンマルツァーノ
缶で売っているトマトホールはサンマルツァーノという細長い形をした品種です。
ナポリの近くでたくさん作られている代表的トマトです。
水分が少ないことがホールトマトにピッタリです。
軽くゆでて皮を向いてトマトジュースと一緒に缶詰で保存されています。
ホールとダイス味の違いと特徴。使い方のお勧めは?
同じ缶詰なので混同していましたが、同じ缶詰でもトマトの品種が異なります。
ダイスカットはサンマルツァーノではなく普通のトマトを使用しています。
ホールトマト
ピッツァのトマトソースならこのホールトマトを裏ごししただけ。
火は絶対入れちゃダメ!
トマト缶から開けて塩とほんのちょっとの砂糖を入れるだけ(砂糖は缶詰の匂いと酸味防ぎます!)
それをピッツァにかけたら最高のトマトソースに。
パスタの際は火を入れます。全然違う味わいになります。
ダイスカットトマト
こちらは裏ごししなくていいように作られていました。
缶を開けたらソースに出来ます。
ホールと味も若干違います。
味が薄めで、酸味が少ない。
そして甘みが多い。
色もそこまで濃くないのでベースにして使いやすく実は家庭向きです。
味の違いなんて気にしたことが無く、つぶす手間を考えダイスをよく買っていましたがそんな違いがあったんですね~
自由が丘人気シェフのお勧めは冷製パスタ
お勧めのレシピを聞きました。
この暑い時期には冷製パスタがお勧めです!日本で言えば冷やし中華という感じですね。
モッツァレラとトマトだけを使ったケッカソースの冷製パスタ。
オリーブオイルでローストした松の実と、刻んだニンニクを加えてパスタにかけて味付けは塩だけ。バジリコの葉を飾ればオシャレで美味しいパスタの完成です。
使うトマトは出来るだけしっかりしたトマトがお勧め。中でもフルーツトマトが絶品!
ただ…フルーツトマトの味は絶品でイタリアにも広めたいけどあの値段。やっぱり高すぎますね(笑)
最近ではスーパーで生で売っているサンマルツァーノやシシリアンルージュ(サンマルツァーノのミニ版)が味が濃くてお勧めです。冷製には酸味より甘みのある品種が合うようです。
トマト栽培のお勧め。ベランダーでも秋でも作れます

園芸家 深町貴子さん
家庭菜園の代表トマト。苗のほかに必要なものは…特にない!太陽と愛情があれば!あとはお日様があればなんとかなるとの心強いおコトバ。
マンションのベランダのプランターだって大丈夫です。
アンデス育ちだから実は涼しいところが大好きなトマト。25度くらいがちょうどいいので、今の暑さは実をつけない原因になります。
トマト=夏野菜のイメージですが実は秋トマトがお勧めです。
今から苗を植えると花が咲くのが9月。
気温がちょうどよく実は甘く、皮も柔らかくて美味しいんだそうです。
種類は大玉よりもミニから中玉
お勧めの種類としては赤くなるまでの期間が短いミニサイズから中玉です。
大玉だと収穫までには時間がかかり収穫が冬に向かうからです。
種からでもこれから育てて年内に食べられます。
その際は丈があまり大きくならないミニ丈を選び、寒くなってきたら家の中に入れて日当たりの良い窓辺で育てるという方法があります。
プランターのサイズ目安
号数で言えば8~10号。深さは25~30㎝ほどです。25センチ×25センチで1株が目安です。
最近ではトマトが作れる土が売っていて、その袋のまま育てられるものを見たことがあります。
プランターを買わなくてもすぐに始めることが出来るのはありがたいですね。
家庭菜園でも驚くほどトマトは作れる
1株でワンシーズン。ミニトマトなら150~200個ほど収穫することも!
春からクリスマスシーズンなら、家庭でトン単位だって収穫が出来るというのだから驚きです。
環境下によっては10メートルほどの草丈になります。家庭でも2~3メートル。
したから実がなって行くので、収穫した際にはそこから下の葉っぱもとるようにして、残った茎をクルクルと巻き付けていくのが育てるコツです。
日本のトマトと言えば桃太郎
東京農業大学農学部農学科 野菜園芸学研究室 准教授 高畑健さんのお話です。
トマトは茄子・ピーマン・ジャガイモの仲間
トマトは茄子科。同じ仲間にはピーマンやジャガイモがあります。全く見た目が違うのに面白いですね。
お花の形態が合弁花という同じ分類に属しています。花びらが見掛けは5~6枚に見えるけど実は1枚という仲間です。
トマトが赤くなると医者が青くなる
トマトの代表的な栄養素はリコピンですね。リコピン=トマトの赤い色のことを指します。
学問的にはリコペン
抗酸化作用(血管や皮膚の老化を防ぐ)成分があります。
赤色=リコピンなので、より赤いほうがリコピンが摂取出来ます。
最近では中性脂肪を減らす。脂肪燃焼効果もあります。
ぎりぎりまで木になっている赤いトマト。もぎたてそのまま食べることが成分をより多く摂取出来ます。
1980年過ぎ桃太郎がデビュー
現在では何百種類とある品種ですがその中でも有名なのは桃太郎です。
それまでは赤くなってから収穫すると、店頭に並ぶころには早く柔らかくなってしまうことから早めに収穫したものが売られていました。
しかし1980年過ぎに生まれた桃太郎は赤いまま出荷しても柔らかくなりにくい品種ということで一気にメジャーになりました。
青臭くて甘みが弱いと思われていたトマトのイメージを変えたのはこの桃太郎なのですね。
まとめ
食べる楽しみだけではなく、育てる楽しみも味わえるトマト。
好きな野菜ランキング10年連続の1位に輝くのも伊達じゃないですね。
二毛作、秋のトマトを育てて長く美味しくトマトを味わってみてはいかがでしょうか。
深町貴子さんの動画でクルクル巻き付ける方法もわかりやすく紹介されていました!
※深町貴子さんが《プランターでつくる大玉トマト》や《ミニトマト!なが~くたくさん収穫するには?》などの動画紹介
参考にされてみてください!
早速トマトの苗!買ってきたいと思います!
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